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更新日:2017327

観光を地域と繋ぐ空き家再生プロジェクト

地域 鹿児島県南九州市
実施主催 特定非営利活動法人頴娃おこそ会
分野 定住促進/観光振興・交流/まちなか再生/コミュニティ/過疎対策/優良地域活性化施策

概要

 観光客は数えるほどしかいなかった南九州市頴娃町において,地域住民や民間企業が中心となって取り組んだ観光を起点としたまちおこし活動が,商店主、農家、大学、行政など多様な主体を巻き込み,大幅な観光客・移住者の増加や4件の空き家再生活動へとつながった。
 現在,再生空き家を活用したワークショップや民宿業へと発展しており,地域の活性化や域外交流に大きく貢献している。

内容

【取組に至る背景・目的】
 観光を通じたまちおこし活動の成果で番所鼻公園、釜蓋神社への来訪者が増加していた頴娃町において、観光の力を商店街や茶畑に及ぼそうとの機運が高まりメンバーが結束、商店街での空き家再生活動が始まった。空き家再生は目的ではなく、観光まちおこし活動の一環として自然発生的に始動したものである。

【取組の具体的内容】
 (1) 観光まちづくり活動の始動 (平成22年~)
  民間の観光業者が番所鼻公園へのタツノオトシゴ観光養殖場開設したことを機に、当公園及び隣接する釜蓋神社を一体的に
 観光地化する取組が,頴娃おこそ会を中心として地元集落等との連携によりスタートした。
  釜蓋神社での朝市開催や、観光マップの共同編集などの地域主体の観光地づくり活動を通じて、地域住民と観光業者,
 NPOなど関係者が連携して地域の観光を推進する体制が構築された。

 (2) 石垣商店街や大野岳など他地区への展開 (平成24年~)
  番所鼻公園及び釜蓋神社エリアの観光地化が,観光客増など一定の成果をあげたことを受けて,対象エリアを拡大し,上記
 活動に加わったメンバーの拠点であった石垣商店街や大野岳エリアでも,散策マップ作製をはじめとする観光と地域を繋ぐ
 活動が,頴娃おこそ会や地元自治会等を中心に始まった。

 (3) 空き家再生事業 第一段階 (平成26年~)
  観光を通じたまちづくり活動に取り組む中で,石垣商店街のにぎわい創出の一貫として,石垣商店街の象徴的な建物で
 あった築140年の空き店舗(1号物件)の保存活動が始まるが、家主との協議が折り合わず解体となる。
  その後1号物件の向かいにあり,築100年の元塩屋だった空き家(2号物件「塩や、)の再生へ転換し,大学や地域住民
 などの協力を得て、財源の確保もままならないまま,手弁当による改修作業を開始した。電気・水道未設置ではあったものの
 かろうじて利用可能段階まで改修作業を進めた。

             

 (4) 空き家再生事業 第二段階 (平成27年~)
  未完成部分を多く抱えた2号物件「塩や、」に対し、県内の大学建築科(設計・改装全般)や市内の高校電気科(電気配線)、
 地元敬老会(カマドや土間補修)、地元商工会女性部(食事提供)の協力に加え、市・県・地域活性化センター(助成事業)など
 多数の主体が参画し整備が進められた。
  その結果,大学の実習合宿や市役所・県庁等から入手したシュレッダー屑を利用した壁紙作りのワークショップなどで活用
 され,地域の交流拠点として活用が広がった。

 (5) 他物件への展開 (平成27年~)
  ・3号物件「福のや、」:石垣商店街にて移住者が居住。旅館業の営業許可を取得し開業。
  ・4号物件「茶や、」:大野岳エリアで茶畑脇の空き家を活用し茶農家の観光拠点整備。
  ・5号物件「二つや、」:石垣商店街にて移住希望者の「お試しハウス」として整備。

  上記の整備には3大学がワークショップとして参加。名称には接続詞の「や」と読点「、」を付し、続きのある物語との
 意味を込めた。番所鼻・釜蓋と「塩や、」、「茶や、」を繋いだツアーも組まれるなど、観光連携も進む。

【施策の開始前に想定した効果、数値目標など】
 (1) 観光の力を地域に及ぼすことを目指す
 (2) 地域住民と来訪者を繋ぐ新たなコミュニティの場をつくる
 (3) 空き家再生を目的とせず、地域活性化につながる活用に重点を置く
 (4) 移住者の迎え入れや起業など、地域に新たな風を呼び込む

【現在までの実績・成果】
 生まれた活動は下記の通り
 ・県内・県外そして海外を含む視察や研修来訪の増加
 ・再生空き家を活用した多様な自然発生的イベントの開催
 ・商工会女性部による食事提供の機会や、研修やイベント参加者の宿泊需要の創出
 ・高校・大学との連携開始。大学生が合宿スタイルで行う改装作業の実施
 ・移住者の民宿開業。石垣商店街での地域おこし協力隊採用と再生空き家への居住。さらなる起業希望者の登場。
  茶畑めぐりなど観光ツアーの増加など

【導入・実施にあたり工夫した点や苦労した点とその対処法・解決策など】
 ・目先の集客やビジネスを急がず、地域での人的ネットワークづくりを優先した
 ・空き家再生においては1号物件の挫折を経て、家主との丁寧なコミュニケーションを通じて信頼を積み重ねていくことに
  配慮、その後の空き家契約に繋げた
 ・地域の異業種メンバーや各団体、高校・大学など、多様な主体との連携が広がることに留意した
 ・財源面では地域住民の手弁当による作業や高校や大学との連携とあわせ、市、県、地域活性化センターなどさまざまな
  助成金活用を組み合わせた対応をした
 ・実施体制としてはNPO法人の中にプロジェクトチームをつくり活動。空き家再生や商店街活性化のみが目的化すること
  なく、地域全般の観光まちづくり活動の一環として実施した

     


【今後の課題と展開】
 これまで頴娃おこそ会が培ってきた観光と農業や商店街との連携を軸に、空き家、移住、起業といったテーマを組み合わせることを通じ、市の地方創生政策ともリンクした活動を推進、市との空き家再生や移住・定住のスキーム策定に繋げたい。放置すれば寂れる一方の地域に期待感を生み出すことを通じ、移住、起業、既存商店主の再投資をもたらす活動を目指したい。
 行政としても公益ニーズのある観光の分野において,地域団体との連携で進めるべき事業の制度設計を協働することで事業創出につなげることを手掛け,将来的にはそこから派生した民間活力による”稼ぐ力”を使うことで,公益事業と民間事業がバランスを保った強固なマネジメント体制の確立を目指したいと考えている。

【事業期間】
 石垣商店街及び大野岳エリアにおける空き家再生事業は平成27年度から現在も継続

【事業予算】
 総事業費:8,589千円
 財源内訳:
  平成27年度移住・定住・交流推進支援事業(一般財団法人 地域活性化センター)1,500千円
  平成27年度森林環境税事業「木のあふれる街づくり」(鹿児島県)1,200千円
  自己資金 89千円
  平成27年度補正地方創生加速化交付金(南九州市)5,800千円

【団体情報】
 人 口:37,289人
 標準財政規模:13,095百万円
 担当部課名:企画課

出典

リンク(URL)等

http://ei-okosokai.jimdo.com

http://m.facebook.com/EiokosokaiKanko/

おこそ会の歩みPDFファイル(392KB)

リノベーション情報

問合せ先

鹿児島県南九州市 企画課:加藤 潤(観光プロジェクトリーダー)
住所:〒897-0392 鹿児島県南九州市知覧町郡6204番地
電話:0993-38-1883 / 090-4313-8261