トップ > 現在の活動状況 > 愛知県 > 豊明市 > 公的保険外サービスの創出・活用促進

更新日:2018323

公的保険外サービスの創出・活用促進

地域 愛知県豊明市
実施主催 豊明市
分野 コミュニティ/優良地域活性化施策

概要

豊明市では、全国初として平成29年2月民間企業9者と公的保険外サービス創出・活用促進に関する協定を締結し、高齢者の快適な暮らしをサポートするため、介護保険でサポートできないニーズを満たす民間サービスを市民に積極的に紹介する取り組みを始めた。これまでどちらかと言えばタブー視されてきた行政と特定の民間企業のサービスの連携は、全国から視察や取材が後を絶たない。

内容

【取組に至る背景・目的】

 きっかけとなったのは、急速に進む高齢化である。豊明市は名古屋市の南東部に隣接しており、人口6万8000人、市の高齢化率は25.1%。団塊の世代の人口が多く、2025年には後期高齢者が現在の1.5倍となる見込みで今後、医療や介護のニーズが急激に増えることが予想されている。
 それを予感させるのが、近年の軽度要介護認定者数と給付費の急激な伸びである。特に急増しているのがデイサービスであり、平成22年から26年のわずか5年間に、給付費は2.5倍、年平均35%の伸びを示していた。
 しかし真の問題は給付費の伸びではなかった。サービスを利用した要支援1の認定者の1年後の重度化率を調べたところ57%が悪化、4人に1人は要介護状態となっていたのである。
 多くの症例を分析し見えてきたのは二つ。一つ目は要支援高齢者が、これまで送ってきたふつうの暮らしを取り戻していくための支援は、単に外出をデイサービスに、家事をヘルパーに置き換えることでは決して達成できないということである。
 二つ目は自立した生活のための手段の提供を通じて本人の意欲までアプローチできなければ、エンドレスな介護保険サービスの利用となり、結果として重度化してしまうことであった。
 実際にある地域では本人が自分で行くことができる生活圏域に牛乳屋さんと新聞屋さんしかない。であれば牛乳屋さんと新聞屋さんを巻き込んで、いかに生活を支えるかを考えていかなければ、高齢者が地域で暮らしていけない。そうして職員の中に地域にあるものはなんでも活用するという発想が生まれていった。


【取組の具体的内容】

 1時間3千円で自宅の片づけや墓の掃除まで何でもやってくれる廃棄物処理業者。カラオケボックスで開催する健康体操教室、無料の送迎バスに乗って格安に利用できる温浴施設、店舗で購入した商品をその日のうちに自宅まで無料配送してくれるスーパーなど、高齢者の生活を支えるサービスを展開する民間企業9者と連携協定を締結した。
 協定企業と共に開発したサービスについては、市の窓口や、地域包括支援センター、ケアマネジャーを通じて必要な高齢者に紹介したり、地域の出前講座等で紹介するなどして利用を促進している。


【施策の開始前に想定した効果、数値目標など】
 軽度者(要支援者)のデイサービス、ヘルパーにかかる介護保険給付費の伸びを、本市の後期高齢者の伸びによる自然増(年6%)以内に抑えること。


【現在までの実績・成果】

 軽度者(要支援者)の介護保険給付費の伸びは、わずか開始1年で、デイサービスについては対前年比2.5%増(参考:過去5年の年平均伸び率35%)、ヘルパーについては1.5%増(参考:過去5年の年平均伸び率12.8%)に収まった。
 また、民間企業のサービスについても、前述の温浴施設は、送迎バス乗車率が対前年比2.5倍、スーパーの無料配送は、事業開始後利用者数2.5倍、客単価6,000円を超えるなど好調である。


【導入・実施にあたり工夫した点や苦労した点とその対処法・解決策など】

 高齢化が進展する中、民間企業にとって高齢者向けサービスや商品を開発したからといって売れるわけではない。特に高齢者は情報取得の面での制限がや、慣れた生活を変えることをあまり好まない傾向があり、新しい商品やサービスが浸透しにくい。担当者として地域包括支援センターやケアマネジャーと現場で支援をしていて感じるのは、年を重ね生活環境が様変わりしていく過程において、老いを支えるサービスや商品を「使いこなすための支援」が不可欠であるということである。企業は高齢者のニーズがどこにあるのか、どうすればサービスを高齢者に知ってもらえるのかが分からず、一方高齢者は自分が欲しいサービスがどこにあるのか分からずにいる。
 利用する市民、買い支える市民があってこそ、高齢者の生活を支えてくれる、使いやすいサービスが地域にサービスが根付いていくのではないかという考えから、行政が高齢者向けサービスを開発する民間企業と高齢者の間の情報の仲立ちをすることで、地域に高齢者の生活を支える、質が高くて利用しやすい価格帯のサービスをたくさん創出し、地域に根付かせたいと、この取り組みを進めている。


【今後の課題と展開】

 本取り組みの反響が大きく、講演や他自治体での事例発表、取材や視察等の依頼が増えている。可能な限り応じつつ、全国への横展開の一助になればと考える。
 また、さらなる企業との連携協定の準備も進めている。


【事業期間】

平成28年度から


【事業予算】

事業費なし。(商品・サービス開発のための協議、マーケット情報の提供、市民への紹介のみで費用は発生しない。)


【団体情報】

人 口:68,869人
標準財政規模:13,222百万円
担当部課名:健康福祉部高齢者福祉課

出典

リンク(URL)等

(企画政策課)豊明市地域政策動向調査添付(公的保険外サービス)

リノベーション情報

問合せ先

愛知県 豊明市 健康福祉部高齢者福祉課
住所:〒470-1195 愛知県豊明市新田町子持松1番地1
電話:0562-92-1261